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院長・スタッフ紹介 院長
世田谷病院長  本間 義春 [ 経歴 ]
1985年          日本獣医畜産大学卒
1987年          日本獣医畜産大学大学院修了
                   (現  日本獣医生命科大学)
1995年          日本医科大学大学院研究科卒
                   医学博士
2019年6月〜  (公社)東京都獣医師会
                   世田谷支部 支部長
                   世田谷区獣医師会 会長
2021年7月〜  (公社)東京都獣医師会
                   世田谷支部 副支部長
                   世田谷区獣医師会 副会長
2022年10月  世田谷区制90周年で功労表彰(獣医療)受賞
2023年7月〜  (公社)東京都獣医師会世田谷支部
                   渉外担当理事
                   世田谷区獣医師会 渉外担当理事
本間動物病院
百合丘病院長  本間 麻子 [ 経歴 ]
1986年  北里大学卒
1988年  北里大学大学院修了

※令和5年3月当院のスタッフが、愛玩動物看護士の国家試験に合格いたしました。
現在のスタッフは、
獣医師 世田谷病院長、百合丘病院長
愛玩動物看護士 IHさん
トリマー KHさん、他院からのボランティアYさん
事務 1名
です。 スタッフは皆、動物好きで優しく経験も積んでいて、他院より数は少なくても少数精鋭です。
※国家試験に合格した以外の人は、愛玩動物看護士を名乗れません。 HPに類似した職業名(例えば動物看護士、VT)を記載すると法律に抵触いたします。
先代院長

現在は、臨床専門ですが、大学院卒業からしばらくは、当院で臨床経験を積みつつ、日本医科大学において、 免疫学、感染症学の基礎医学も研究し、医学のドクターを取得いたしました。これら、基礎医学は臨床の場においても、 病気の原因を探る上では、大変に重要です。また、当時、それらの研究に携われたことが、新型コロナ対策にも 活かされております。
また、2019年6月より、東京都獣医師会 世田谷支部の支部長(世田谷区獣医師会 会長)を仰せつかり、獣医師会所属の先生方のみならず、世田谷区の飼い主様のためにお役に立てるよう、防災、学校教育、感染症対策等に力を入れていまいりました。2021年7月からは、支部長は退きますが、後任の支部長を全力で補佐するため、副支部長をお引き受けする予定で、引き続き皆様のお役に立てるよう、努力してまいります。

日本医科大学在籍中は、獣医学会のみならず、「日本アレルギー学会」、「日本化学療法学会」などにも所属しており、研究論文も、アレルギー、漢方、免疫等多岐にわたっています。

  • 〇 Fosfomycinのアレルギー誘発能に関する基礎的研究
    日本化学療法学会誌 CHEMOTHERAPY 1989.4
    竹内良夫・西村葉子・栗山純一・本間義春・横室公三・田中幹夫・渡辺日章 (日本医科大学)
  • 〇 漢方薬「小青竜湯」とその構成生薬のchemical mediatorに対する薬理効果
    臨床免疫 1989.7
    竹内良夫・西村葉子・栗山純一・本間義春・川角浩・荒川勉・横室公三 (日本医科大学)
  • 〇 アレルギー性結膜炎モデルにおけるWP-871の薬理効果について
    新しい眼科 1989別冊
    竹内良夫・西村葉子・栗山純一・本間義春・川澄浩・石崎正道・雑賀壽和・清水由規・横室公三(日本医科大学)
  • 〇 経口抗生物質、Cefaclor の血小板凝集に対する作用
    日薬理誌 (Folia pharmacol.japon) 1990.3
    嘉久志寿人・四家勉・早崎洋子・松原尚志・内田清志(塩野義製薬)
    本間義春・川角浩・竹内良夫(日本医科大学)
  • 〇 Cephalosporin系抗生物質の血小板機能におよぼす影響
    日本化学療法学会誌 CHEMOTHERAPY 1990.11
    本間義春・竹内良夫・川角浩・西村葉子・栗山純一・横室公三 (日本医科大学)
  • 〇 薬剤アレルギーに関する基礎的研究 - βラクタム系抗生物質の血小板機能に対する影響 -
    日本化学療法学会誌 CHEMOTHERAPY 1994.12
  • 〇 補液中に添加された抗生物質の抗原性発現
    日本獣医師会誌 1992.8
    大久保隆行・水谷渉・桑原繁(日本獣医畜産大学)・長谷正義(長谷動物病院)・小島孔章(共同製薬)
    本間義春・竹内良夫(日本医科大学)
  • 〇 インターフェロン(IFN)って何?
    SAC NO105 1996.12
    竹内良夫・本間義春
先代院長
先代院長  本間 春雄
黄金の犬たち
顧問が深くかかわった事件の本です。
先代院長(故本間春雄)は、心筋梗塞のため2014年10月5日他界いたしました。
各方面の方々には大変にお世話になり、感謝いたします。
昭和40年代のベットブームのはじまりとも言われた頃、当時社会問題にもなり、元日の読売新聞の一面にも書かれた「東京畜犬問題」の解決、東京都獣医師会理事を2期務め、日本小動物獣医師会の設立に関わり、伊豆小笠原諸島の自然保護活動を行うなど、その功績は、後世の獣医師に称えられるべきものと思います。
ユニークな点では、東大を優勝させよう会の発足にかかわるなど、とても活動的でした。顧問就任後は、写真(特にタンチョウ鶴)と船旅をこよなく愛し、「読売写真大賞」をはじめ、数々の賞を受賞いたしました。私は、先代のような能力、活動力はないと自覚していますが、動物医療に対する誠実さ、動物を愛する心は負けないよう、先代の遺志を継ぐべく日々努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。


[ 経歴 ]
1943年           日本獣医畜産専門学校卒
                    (現  日本獣医生命科大学)
1972年           東京医科大学研究科卒
                    医学博士
1957〜1997年  本間動物病院院長
1970〜1974年  元東京都獣医師会常務理事
1970〜1974年  元全日本小動物臨床獣医師協議会常務理事
                    (現  日本小動物獣医師会)
1997年〜    本間動物病院顧問
2014.10.5     心筋梗塞のため逝去(享年90)
対象動物
犬・猫・その他小動物
診療体制
当院では、問診、身体検査ののち、必要に応じて、血液、血清検査、心電図検査、レントゲン検査、エコー検査などの諸検査を行い、可能な限り正確な診断を行いつつ、治療にあたっています。特にエコーについては、2019年6月に最新式コンパクトサイズで往診にも持ち運び可能なカラードップラー装置に入れ替えました。まだ、世田谷区の動物病院でもほとんど導入されていません。
治療はニーズに応じて行い、集中治療が必要な場合は、ICUユニットを使用し、点滴、輸血などを施すことで、治癒、回復率を向上させます。
手術に関しては、2017年に最新の麻酔器と人工呼吸器を導入しました。現在使用中の麻酔モニターとの併用で、より手術のリスクをへらすことができました。
さらに、電気メスや炭酸ガスレーザーを用いることによって、より安全かつ確実な手術が行えるようになりました。
内科部門では、積極的に新薬を取り入れながらも、その使用には十分な副作用情報の収集や、関係各位との慎重な検討を重ねたうえで使用に踏み切るようにしています。 
患者様のお話をよくお伺いしたうえで、無駄な治療、苦痛を与えないよう、心がけています。 
二次診療
診断、治療の困難な疾患に関しては、大学病院や高度医療センター、専門医をご紹介するようにしています。
夜間、休日診療、年末年始の診療について
夜間(19:00〜22:00)、深夜(22:00〜6:00)、早朝診療(6:00〜9:00)については、お電話によるご予約を頂き、可能な限り対応いたします。
昼間とは診療料金が異なりますのでご了承ください。(夜間、早朝診察料2000円、深夜診察料5000円の他に注射料などの治療費が別途加算されます。往診料金も別途加算となります)
日曜日は継続診療、急患については可能な限り対処いたします。

急を要する切迫した事態の場合は、下記にお問い合わせください。
・TRVA夜間救急動物医療センター:TEL 03-5760-1212
ワンニャンドック(ペットドック)
高齢動物や長期治療、投薬中の健康チェックだけではなく、健康時のデータを取っておくことも病気になった時のために意味があります。触診、聴打診等の身体検査から、血液、血清検査各種、心電図検査、レントゲン検査、エコー検査、糞便検査、尿検査などを行ないます。また、オプションとして、アレルギー検査、腫瘍マーカー検査なども承っています。なお、期間限定で料金を変更しています。詳細についてはお問い合わせください。
2014年度から、膵リパーゼ検査とジアルジア検査を追加いたしました。
検診の御予約、お問い合わせに関しては、AM10:00〜PM6:00にお願いいたします。
ワンニャンドックは随時承っています(ただし、4月の狂犬病予防月間や夏休み冬休みなどのお預かりの繁忙期は除きます)
狂犬病実施機関に関する情報
【注射期間について】
2024年度(令和6年度)の世田谷区狂犬病定期予防注射は、昨年同様、4月1日から6月30日で実施されます。5月連休明けの平日(月、土曜日を除く)1日は休診にする予定です。
通常の診療、ノミ、マダニ予防、混合ワクチン、フィラリア予防などは、定時に行っていますが、なるべく、ご連絡をいただいてからのご来院をお願いします。
コロナ禍は終息しつつありますが、引き続き、待合室、診察室では、マスクを着用、入室、退室の際の手指消毒など徹底していただいています。マスクを忘れた患者様にはお渡しいたします。

【登録代行について】

令和4年より、新たに飼われる犬猫にはマイクロチップの装着が義務付けられています。
住所変更の届に関しましては、区外から転入なされた場合は、保健所までお問い合わせくください。
基本的に、本年度から、登録、住所変更などの代行は行いません。

【ワンちゃんがなくなってしまった場合、転居した場合など】

当院でも手続き代行が可能ですが保健所から届いた封書の中に、QRコードが記されている用紙があります。
それを読み取り、送信することで手続きが完了します。
ただし、予防注射接種不能の場合、診断書の写真を送信する必要があります。

オールインワン予防薬について

気候にもよりますが、4月半ばから5月にかけて、フィラリア予防の季節も到来しますので、狂犬病予防注射接種時に、別途採血を行ない、フィラリアの投薬前検査を行なうこともお勧めいたします。
オールインワン予防薬は、フィラリア、ノミ、ダニの予防は勿論、当院では毛包虫(アカラス)の治療にも功を奏しています。効能がい使用なので、患者さまの承諾を受けたうえでの治療であることは言うまでもありません。
アメリカで承認を受けているアドボケートというおクスリよりも治癒効果がありそうです。アカラスはもともと仔犬の半数に寄生しているといわれ、皮膚の免疫異常などが引き金になって発病すると言われています。全身性のアカラスは治癒率も悪いと言われています。嘔吐などの副作用報告もあるようですが、当院で処方したワンちゃんたちには、いまのところ副作用は認められていません。
フィラリア、ノミ、マダニの予防だけでなく、他のダニを中心とした予防薬としてオールインワンタイプの予防薬は、今年からでも、すぐに切り替えていただきたい予防薬として、当院では強くお勧めいたします。
高齢犬や投薬治療中の子は、同時に内臓機能等の血液検査も受けておくべきでしょう。
2016年から、ノミ、マダニ、フィラリア予防を一度にできる、オールインワンタイプの予防薬を使います。

猫の不妊去勢手術助成について

世田谷区と東京都獣医師会(世田谷支部)では協定を結び、飼い主のいない猫をなくすために「飼い猫の不妊、去勢手術費用助成」および「飼い主のいない猫の不妊、去勢手術費用助成」を行なっています。
保健所への申請が必要となりますので、所定の手続きをとってから、手術の予約をしてください。申請用紙は、病院にもございますのでお申し出ください。 また、猫の入院数には限りがございますので、一度に多頭数の手術を行なうことは不可能な場合がございます。
しょっちゅう外出しているネコちゃんには、他のネコちゃんにうつさないよう、手術時(できれば手術前)に、ノミの駆除を行なっていただきます。
この助成は、予算の関係で、頭数が限られています。
不妊、去勢の手術そのものに関しては、遠慮なくご質問ください。

マダニ、ノミ予防のお勧め(SFTS関連情報、オズウイルス情報)

 2013年1月に、山口県在住の方が、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で亡くなり、日本に生息するダニ(マダニの仲間で、イエダニとは異なります)の媒介によるものと報告され、ペットオーナーの間で、広く話題となりました。この病気は指定感染症で、ヒトの感染が確認された場合、医師は届け出をしなければなりません。
 2021年2〜3月に、東京都獣医師会世田谷支部は、品川支部のご協力も得つつ、SFTSに関する最新の知見について、学術のオンラインセミナーを開催いたしました。
新型コロナに関わられている国立感染症研究所の著名な先生のお話や、診察に当たられた際に、感染されてしまった獣医師の先生のお話も紹介されました。
その一部を抜粋し、追加の情報としてご紹介させていただきます。
 2013年末までに、国内の感染者53名、死亡者21名が報告されていましたが、2015年1月末から2019年12月からの総感染者数388名、死亡者は36名に達しています。抗体を保有したダニ(ウイルス感染を受けたダニ)は、北海道でも発見されており、ほぼ日本全土にウイルスを保有したダニが存在したということになってしまいました。マダニからの感染ではなく、SFTSに感染したネコに咬まれたヒトが死亡し、コリネバクテリウムとともに人畜感染症として、再び注目を浴びています。
 2020年のデータは、新型コロナの影響もあり、人や動物の移動が少なかったため、被害も激減していますが、今後、コロナの収束の方向に向かい、行動抑制が解除されると、一気に感染者数は増加するものと思われますので、ご注意ください。
関が原より東側では、感染が広まってはいないようですが、九州、中国地方などでは、かなり深刻な問題になっています。決して対岸の火事ではありません。
世田谷区や百合丘も緑が多く、ハクビシンやたぬきなど野生動物も多く見られます。重要な要点を以下に記します。

  • 1. 野生動物(シカ、アライグマ、ハクビシンなど)についたウイルス保有マダニによって、全国的に広がりつつある
  • 2. 猫では重症化しやすく、死亡率が高い(約50%で7日以内に死亡)が、犬では無症状感染犬も多い
  • 3. マダニに咬まれて感染するのではなく、感染ペット→ヒト、感染ヒト→ヒトへの感染例の報告もある
  • 4. 新型コロナ同様、濃厚接触による感染の可能性もある
  • 5. マダニの種類にもよるが、ヒトでの感染事例が多いのは5〜8月にかけてである
  • 6. ヒトでは、高齢者ほど死亡率は高くなる
  • 7. 兎にも角にも、マダニの予防は、コロナのワクチンと同様に重要かつ、大切である

ネコの診断方法やペット→ヒトへの感染事例等については、ご協力いただいた会社、学会の重要資料で、印刷配布ができません。公表できる範囲内の情報です。
特に、頻繁に外に遊びに行っている猫ちゃんは、きちんとマダニの予防対策をしておいたほうが良いと思われます。
関東地方では、犬や猫を対象とした疫学的調査が、ほとんど行われていません(コロナ禍の影響もあります)
お花見のシーズンで、外出の機会も増え、ワンちゃんのお散歩時間も長めになってくるので、マダニの予防は、しっかりと行なっておいた方がよいでしょう。
犬の感染報告もでていて、不顕性感染(無症状)犬の報告もあります。間接的に感染源となることは否定できません。いたずらに恐れる必要はありませんが、以下の点にご注意ください(詳細は厚労省のHPを参照してください)
2016年から、ノミ、マダニ、フィラリア予防を一度にできる、オールインワンタイプの予防薬を扱います。オヤツタイプのおクスリなので、スポットタイプとは異なり、シャンプーも気にしないですみます。

  • 1. 春から秋にかけてのダニの活動時期には、むやみに山野に入らないこと
  • 2. 散歩から戻ったら、体表(眼、鼻、耳、肛門周囲、内股など)のチェックを行なうこと
  • 3. 散歩後に、目の細かい櫛をかけることも効果的
  • 4. マダニの防除剤(いわゆるノミ、マダニの予防薬)を使用することが、かなり効果的
  • 5. マットなどの敷物の、定期的な交換や洗濯
  • 6. もし、ダニがついてしまったら、無理に引き抜かず動物病院に相談すること

4月以降、暖かくなってくると、マダニやノミの活動期(特に5〜10月)に突入します。
安心のためにも、スポット剤などで、しっかりとマダニやノミを予防しましょう。
なお、ヒトに関してはスポット剤などはありませんので、帽子、薄手でも良いので長袖、長ズボンなどを着用し、マダニにかまれないようにすることが重要です。万が一、飼い主様がマダニにかまれ体調を崩された場合は、なるべく早く医師に相談してください。

静岡県で2021年3月に、SFTS感染者の報告がありましたが、同6月には、千葉県で感染者の報告がありました。新型コロナのため、存在感が薄れていますが、温暖化が進むにつれ、SFTSの北上は避けられません。
飼い主様ご自身のマダニ防除と、ペットのマダニ予防に関しては、より注意を払わねばならなくなったと言えます。

※マダニが媒介するオズウイルスについて
昨年、心筋炎で死亡した70代の女性から世界で初めてヒトへのオズウイルス感染が確認されました。
マダニから感染する病気で、詳細はまだ解明されていません。
厚生労働省は、マダニに咬まれないよう、注意を呼び掛けています。
イヌのマダニ予防も、今まで以上に気を付けてください。

人畜共通感染症について

地球温暖化と交通網の発達に伴い、様々な感染症が暗躍する時代になってしまいました。
今後、今まで日本では認められなかった感染症も、日常的に認められるような日がおとずれるのも、そう遠くはありません。
直近で危惧すべきは、新型コロナ感染症の陰に隠れてしまった、
 a) SFTS
 b) 強毒性鳥インフルエンザ
 c) 一部の新型コロナ変異種
 d) オウム病(2024年に入ってから欧州で人への感染が流行しています)
などがあげられますが、従来から人と動物の間で感染が見られる、
 a) 狂犬病
 b) コリネバクテリア症
 c) アニサキス(魚類からの感染)
 d) 0-157感染症
 e) 回虫症、ジアルジア症
 f) トキソプラズマ感染症(特に妊婦の方注意)
等々、注意を要する病気がたくさんあります。
これらの、情報などについて、最新の情報を皆様と共有すべく、お伝えしていきたいと思います。

ジアルジア感染症について

最近は、仔犬のジアルジア感染症が増えているだけでなく、通常、ジアルジアの駆虫に用いる抗原駐薬に抵抗性を示すジアルジアが散見されます。
ジアルジア感染症も、犬からヒトに感染する可能性のある、人畜共通感染症(.5類)に指定されています。ヒトでの感染例も、年間複数例あります。
ジアルジア感染症が確定した場合、第一選択として人体薬の抗原虫薬が選択されます。
しかし、仔犬の場合、1回の容量が多すぎて副作用のリスクがあまりにも大きくなる点や、第一選択薬に抵抗力を持ち、何日駆虫を続けても 駆除できない場合に限り、当院では、日本では承認を受けていませんが、アメリカではすでに承認されている駆虫方を用いて対処しています。
成犬や仔犬で吹き作用を伴うことなく効果が確認されています。
仔犬や保護犬(保護犬でもジアルジアまでチェックされていない場合があります)を自宅に迎え入れた時、すぐにお部屋でフリーにしたり、すでに同居している 犬と一緒にしないで、その前に、必ずジアルジアの検査を行なったほうが良いでしょう。

皮膚病、熱中症にご用心

梅雨になり高温多湿の日々が続くと、皮膚病が増えてきます。皮膚病の予防、治療には次のような方法が挙げられます。

1. シャンプー療法
1〜2週間に一度、皮膚病のタイプにあった薬浴を行ないます。
2. 外用薬の塗布
いわゆる「ぬりぐすり」を1日1〜2回病変部とその周囲に塗ります。
クスリによっては、長期使用により皮膚毒性を生じるものもありますから注意が必要です。
3. 内用薬の使用
皮膚病が全身に飛んでしまったり、膿皮症、皮膚真菌症などで使用します。
もちろん、このうちどれかひとつということではなく、皮膚の状況によっては、組み合わせた治療を行ないますので詳しくはご相談ください。
当院では、各種皮膚病に対応したシャンプー剤をご用意し、シャンプー療法に力を入れています。
更に、アトピー性皮膚炎が強く疑われる方には、サイクロスポリンというおクスリを処方しています。 また、減感作療法を行なうことも可能ですが、いずれにしても、アレルギーを起こす元が何かを特定することが必須条件と言えましょう。

〔熱中症にも注意しましょう〕
熱中症は、人間よりも、犬の方が起こりやすいと言われています。犬は体温調節のほとんどを呼吸にたより、汗をほとんどかけないからです。猛暑と涼しい日が交互に繰り返されたとき、窓の開け忘れや空調の入れ忘れ、人間の乳幼児と同じように車中の置き忘れ、これらのことで犬も熱中症になってしまいます。
このようなときは、あわてずに、まず体温を下げることを意識し、なるべく早く動物病院に連れて行き、適切な治療を受けるようにして ください。
野生動物からの感染症にも注意が必要です

先日、飼育されていたミミズクが逃亡し、街中で見かけられ、テレビなどでも話題になっていましたが、時を同じくして、当院の近所でも「正体不明の生き物捕獲作戦」なる事件が起こっていました。
通報を受けた警察の方が捕獲網を持って数名かけつけ、保育園もすぐそばにあるので、一時、その場は騒然としたのですが、何とか捕獲、私が麻酔注射を打ち、ケージに入れることに成功しました。
「先生、この動物は何ですか?」と当然聞かれましたが、ガリガリに痩せていて、全身皮膚病で、脱毛部分も多く、ハクビシンに特徴的な顔の白いスジすらみえません。「幼獣だろうし、多分、ハクビシンやテン、キツネの仲間だろう」
といか答えようがなかったのですが、後で調べなおしてみると、身体と尾の長さの比率から見てハクビシンの幼獣だろうと推測されました。
ここで、問題なのは、幼獣がウロウロしているということは、近くでハクビシンが繁殖しているという点と、さらに、それらが、人やペットに感染する病原体を保有している可能性が大きいということです。 今回捕獲された動物も、皮膚病の状況から、検査は行わなかったものの、疥癬虫(ダニ)や毛胞虫(アカラス)の寄生や痩せていることからお腹に寄生虫がいることも、容易に推測されました。他にも細菌やミズムシの仲間の菌が感染している可能性、マダニ(疥癬とは別物)やノミの寄生、フィラリアの寄生の可能性も疑われました。
捕獲した警察の方には、捕獲網や周辺を踏み歩いた靴の洗浄消毒、使用した手袋の廃棄など衛生面の注意点をお話しておきました。また、保育園の通学路や、患者さまの通り道ということもあり、捕獲場所の周囲は念のために煮沸熱湯で洗浄した後に、塩素を含んだ熱湯で消毒しました。
砧や桜丘、船橋周辺には、砧公園やろ花公園、馬事公苑など大きな公園があるだけでなく、寺院も多く、緑も豊かで野生動物の生活、繁殖には適していると言えるでしょう。最近では廃屋の問題もありますね。
ハクビシンやタヌキは、私も何度か近年目撃しています。これらの野生動物から、糞尿を通してペットが寄生虫などの感染症にかかる可能性もありますし、テリトリーのにおい付けに体をこすりつけた場所から、皮膚感染を受ける恐れもあります。
以上のことから、小型犬でもお散歩にでたり、公園に連れていく子や、ネコでも屋外におでかけする子は、寄生虫の予防やワクチン接種による感染症予防を、しっかりとしておいた方が良いと、再認識させられた事件でした。

地域に貢献できる動物病院であるべく心がけています

当院は開業以来、4半世紀を迎えます。
院長自身地元の小中学出身という事もあり、3〜40年くらい前の「ゆとり教育」のころから、地元小学校と協力して、お手伝いをさせていただいています。
また、平成26年度からは、東京都獣医師会と教育委員会との間で、「学校飼育動物推進校事業」が推進されており、都内で5校選出され2年間事業を行っています。
小学校近隣の獣医師会所属の先生方のご協力を得て、実施しています。
世田谷区では、以下の小学校で実施(現在実施中もあり)されています。当時の学校日記をご参照下さい。

平成26年〜27年 山野小学校
2014.11.27、2015.10.16
2016.10.25、2017 この2年間は依頼され獣医師会とは別に独自で授業を行いました(松原小と並行して)。
平成28〜29年 松原小学校
2016.11.14および11、10.20、10.18、2017.10.12、9.26
令和2〜3年 太子堂小学校
2020.1012(コロナ禍のためZOOMで授業を実施しました)
2021.10.21(ZOOM授業)、 11.22 対面式ふれあい教室
令和4年〜5年 松沢小学校
2022.9.8(以降授業は対面式授業)、9.13 対面式ふれあい教室、11.7、11.18
2023.11.6、10.3、11.30、 12.14〜15 対面式ふれあい教室

最近は、学校で動物を飼育することに関して、「動物虐待ではないか、譲渡会などを行った方が良い」という意見も聞かれますが、確かに、飼育小屋でちゃんとした飼育がおこなわれていなければ、そう言えるのかもしれません。学校の先生方の過重労働の話もあります。
本事業では、低学年の生徒さん達には、動物に親しんでもらうきっかけづくりを行い、高学年には獣医師という仕事のキャリア教育を行っています。
また、それだけではなく、飼育委員会にも指導を行い、担当した小学校とも、飼育することに関する情報共有と、飼いっぱなしにしないという共通認識を持っていただくよう心掛けています。
生徒さんたちが、自分の学校で飼育されている動物たちに親しみを持ち、動物を飼う事の難しさを経験することによって、命の大切さを学ぶことが、今、世界で起きている社会の分断や戦争を将来的になくすことにつながるものと思っています。

ペットの防災について

東日本大震災以来、日本各地で地震や火山活動が活発化し、地球温暖化による影響か局地的風水害や土砂災害が増加しています。
幸いにして、東京は大島や三宅島の噴火を除き大きな災害に見まわれてはいませんが、将来的には、南海トラフの大地震や東京(首都圏) 直下型地震などの災害に見まわれる可能性が、日に日に増していると言われています。
もし、このような災害に見まわれた時、私たち、特にペットを飼育している人はどのようにしたらよいのでしょうか。
東京都獣医師会や世田谷区獣医師会でも防災委員会が数年前より立ちあげられ、様々な災害時の情報収集や、危機管理体制の構築、 飼い主様への情報提供や防災意識を高める活動が行なわれています。
2018年11月には、私も世田谷区獣医師会の防災委員の一員として、初めて山野小でのペット同行避難を含めた防災訓練に参加させて いただき、また、昨年来、何回かの防災委員のミーティングや東京都獣医師会本部での勉強会、地域の防災セミナー(地域の学校、区の担当職員、 町内会などの関係者を含む)などにも参加し、改めて、防災や災害時の取り組みについて考えさせていただくことができました。

大災害が起きた場合、まずは、人命の救助や安否確認などが最優先されることは言うまでもありません。そして、避難が行なわれるわけですが、 おそらくは、ペットのことどころではない人も多いことになるでしょう。また、動物アレルギーの避難者もいることでしょう。対して、ペットと家族同様に 生活されている人もいて、避難所でパニックや騒動が起こる可能性も容易に推測できます。
こうした混乱をできるだけ避けるためには、ペット飼育者の意識向上と日ごろの備えや訓練が非常に大切になってきます。

世田谷区と世田谷区獣医師会の間では災害時に獣医師会所属の病院がペットの救護所として(建物や人的被害を受けた病院を除く)、負傷動物の「応急手当」を行なう協定が取り交わされていますので、獣医師が避難所にいるとは限りません。飼い主様たちで協力して、非難動物の管理を行なうことになります。
そのため、建物の損壊がない場合、むやみに避難することを控えたり、お散歩中まで中の良いワンちゃんを預ってあげたり、預けたりすることで、非難動物の 数をできるだけ減らすことも重要です。さらに、同行避難する場合に備えて、日頃がらケージ内で寝かせる訓練を行なったり、ムダ吠えをさせないしつけを することも大切です。基本的には、同行避難は犬と猫に限定されている場合が多いようです。自分の避難する予定の避難所にあらかじめ問い合わせて おくと良いでしょう。ちなみに、同行避難したペットは屋外で、人と離れた場所でケージ内で生活することになります。
小鳥やハムスターなどのエキゾチックペットは、ストレスに弱かったり逃走、衛生面から受け入れが難しいと思われます。
東京都獣医師会では、伊豆大島や三宅島の噴火、中越地震、東日本大震災、熊本地震、広島豪雨など多くの災害現場の教訓をもとに、ペット防災BOOK(有料)を発行しています。ペットの避難セット(有料)も用意されています。いずれも、ご要望に応じて当院で お渡し(有料)することも可能です。
また、世田谷保健所と世田谷区獣医師会とのあいだでも、「災害時にペットを守るために」という印刷物を発行しています。
世田谷区内で、2018年にペツト同行避難を含む防災訓練が行われた公立の小中学校は、約90校あるうち、たったの2校です。しかし、2019年度は8校に激増し、区民の皆様の関心、要望が増加していることは、間違いありません。

東京都獣医師会世田谷支部でも、台風19号通過直後の支部会で、獣医師会の本部より講師を招いて、防災講演をしていただき、会員間での防災知識共有につとめています。欠席された先生にも、要点をまとめたレポートを配布し、周知徹底を図り、患者様への還元ができる様、諸先生方が 努力しています。 玉川決壊の際には、決壊場所から近い先生に、病院での自助のレポートを提出していただき、それが、東京都獣医師会の先生方向けの雑誌に掲載され、世田谷区以外の一級河川流域の先生方の参考にもなるよう、世田谷支部は諸先生方が、患者様の安全を守るための努力を 行っています。
2020年8月には、東京都獣医師会世田谷支部では、近隣支部の杉並支部長、世田谷支部長(本間)、顧問の世田谷区区議、保健所の課長様、ペット防災に関するホランティア団体アナイス代表をお招きして、世田谷の各ブロックの獣医師会防災委員も参加し、地震、台風などの風水害に関して、如何にペット同行避難を上手く行えるかについて、勉強会を開催いたしました。その資料を世田谷支部の支部員皆様に配布し、獣医師会に所属している先生方には、危機管理の情報を共有していただきました。その結果、台風の際は、第一次避難所(台風接近24時間以上前に開設)、第二次避難所が指定され、それらすべてでペツト同行避難の受け入れを行うことが決まり、世田谷区風水害ハザードマップにも、ペツト同行避難に関する注意点が記載されました。
2020年11月には、山野小で避難訓練が行われ、私の病院の保護犬を同行させ、検証を行っています。
どうしても、人への対応が優先されるので、ペット同行避難については、対策が遅れがちです。同行避難訓練や勉強会を重ねることで、 1つずつでも問題点をあぶり出しながら、できるだけ飼い主の皆様へ情報提供するのも、小学校の「ふれあい教室」同様、地域貢献の1つと考えています。
世田谷区獣医師会の副会長および防災委員(砧ブロック)を仰せつかっていますので、砧保健所管轄の小中学校近辺のペットの飼い主様のお友達グループや学校関係者、自治会の防災関係者の方などと、「ペット同行避難」のモデルケースの作製や講演要請の窓口として、できる限りの努力をしたいと思います。
ペットの同行避難や防災については、おおまかに、ここで記しましたが、詳細については東京都獣医師会のホームページを参照していただけると良いと思います。
また、平時、非常時に、LINEを活用して、避難に関する情報発信、情報提供を行おうというボランテイア団体(名称:ペット防災せたがやネツトワーク)も立ち上げられています。世田谷区獣医師会では、飼い主の皆様や区民の安全のため、ボランティア団体にもご協力する形で、社会貢献に努めたいと考えています。

外耳炎でお困りの方に朗報

毎年外耳炎になり、しかもお耳を触らせてくれないようなワンちゃんに朗報です。1週間効果が持続し、2回の治療でほぼ治癒してしまう点耳薬です。
ただし、安易に使用するのではなく、オーナー様の都合でなかなか来院できない、ワンちゃんが自宅で点耳させてくれない、老齢で心配だなどの理由ががあって、はじめて選択すべきだと思っています。
費用も、一般の点耳薬とは比べ物になりません。さきの理由を考えれば当然のことでしょう。
それでも、お困りの方は、当院までご相談ください。

お車でご来院の方へ

最近、放置駐車の取り締まりが厳しくなっています。
病院の玄関前に車を止め、急患を搬送し、応急治療中に放置駐車違反をとられたこともあります。
ご来院の際は、病院の駐車場に止めていただくか、満車の場合、どなたかお一人が車中でお待ちいただくようお願いいたします。お一人でしかご来院できない場合は、病院の車を移動させますので、ご安心してご来院ください。

求人情報

昨年来から、世田谷病院で勤務していただけるトリマーさんを 急募しております。常勤、バイトを問いません。
周りの動物病院やペットショップに比べると、やや給与面で見劣りするかもしれませんが、スタッフ間および患者様との関係は良好で、和気あいあいで仕事ができます。
仕事の内容も、他と比べ、けっしてハードではありません。
お近くで、トリマーの就職先を探していらっしゃる方、是非、ご連絡だけでもいただけたらと思います。

体験実習も可能

お問い合わせは、世田谷病院まで
平日 9:00〜18:00
担当 院長
TEL 03-3417-2345

新型コロナウイルス感染症に対する当院での対策について

新型コロナも2類から5類感染症に変更となる予定で、街中でもマスク着用等の規制緩和が実施されつつあります。
当院では、引き続き、スタッフのマスク着用、手指消毒等、コロナ対策は継続いたします。

本間動物病院
アクセスマップ
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〒157-0073
東京都世田谷区砧2-12-4
TEL.03-3417-2345(代)
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